足底腱膜と踵の骨が付着する部位(付着部)には強い牽引力(引っ張る力)とともに、着地時の荷重による衝撃(圧迫力)の両方が加わることで、過大な負荷が集中します。
そのため長時間の立ち仕事や歩行、体重増加、靴の不適合、スポーツ(ランニングやジャンプなど)による使いすぎが主な原因と考えられます。
長時間の立ち仕事や歩行により踵(かかと)の内側前方、足底中央部(土踏まず)、親指の付け根(遠位部)に痛みが出ます。階段をのぼる際や、つま先立ちなどで痛みがさらに増します。
中年女性に多く、朝、起床して最初の1歩目に痛みを感じます。歩くうちに徐々に軽減し、夕方になって歩行量が増えるに従い、再び痛みが強くなってきます。
以下の症状が認められた場合、足底腱膜炎と診断されます。
①足底腱膜とかかとの骨の付着部周囲に圧痛(押さえたときの痛み)がある。
②長時間の立位、歩行、走行、歩行開始時のいずれかのときに、足底腱膜とかかとの骨の付着部周囲に疼痛があらわれる。
③神経の圧迫や障害(足根管症候群等)、筋・腱の部分断裂(後脛骨筋腱機能不全等)、反射性交感神経性萎縮症(RSD)、足底腱膜線維腫症等は除外する。